ニーグリップ強化に内転筋トレーニング

速いスピードを出して走るバイク

ニーグリップは挟む力より持久力が大事

教習所では「タンクをしっかり挟むように」と教わりますが、これを「常に全力で締め付ける」と解釈してしまうと、長距離ツーリングは辛いものになります。

全力のニーグリップは数分しか持ちませんし、下半身がガチガチに固まるとバイクの自然な挙動を妨げてしまいます。
公道におけるニーグリップで重要なのは、瞬間的なパワーではなく、必要な時に必要な強さでホールドし続けられる持久力です。

この持続可能なニーグリップを支える主役が、太ももの内側にある内転筋です。
この筋肉が弱いと、時間の経過とともに足が開いてきてしまい、それをカバーしようとして腕や肩に余計な力が入ってしまいます。
これがハンドルの不自然な入力に繋がり、ふらつきや手首の痛みの原因となるのです。

内転筋を鍛えて持久力をつけることで、下半身で車体を軽くホールドし続けることが苦にならなくなります。
下半身が安定すれば上半身はリラックスでき、セルフステアを活かした素直なハンドリングが可能です。

結果として、安全かつ疲れにくいライディングフォームが完成するのです。

自宅にあるクッションでできる内転筋強化

ジムに通わなくても、自宅にある身近なものを使って効果的に内転筋を鍛えることができます。

用意するのは厚めのクッションや、バスタオルを丸めたものだけです。
椅子に浅く腰掛け、背筋を伸ばして骨盤を立てた状態で、膝の間にクッションを挟みます。

ポイントは、全力で潰すのではなく、「落とさない程度の力を一定に保ち続ける」こと。
テレビを見ながらや読書をしながら、まずは30秒から1分程度、クッションを挟み続けてみてください。

地味な動作ですが、次第に太ももの内側が熱くなってくるのを感じるはずです。
慣れてきたら、挟む時間を延ばしたり、クッションを挟んだまま膝を少し持ち上げてみたりして負荷を調整します。

また、クッションを挟む強さをリズミカルに強弱させるのも効果的です。
このトレーニングは、バイクに乗っている時のニーグリップの感覚に非常に近いため、実際のライディングに直結する筋肉を養うことができます。

ワイドスクワットで下半身全体を安定させる

内転筋だけでなく、お尻や太もも全体を鍛えて、バイクを支える土台を強固にするにはワイドスクワットが最適です。

通常のスクワットよりも足を大きく、肩幅の1.5倍から2倍ほどに広げて立ちます。
つま先は外側45度くらいに向け、膝も必ずつま先と同じ方向へ向くように意識しましょう。
そこから、お尻を真下に落とすイメージでゆっくりとしゃがんでいきます。

このワイドスタンスで行うことで、股関節の可動域が広がり、内転筋への刺激が格段に高まります。
深くしゃがむほど負荷は強くなりますが、無理をして姿勢が崩れては意味がありません。
背筋を伸ばし、上体が前傾しすぎないように注意しながら行ってください。

強靭な下半身を手に入れれば、信号待ちでの足つきの安定感が変わりますし、重いバイクを取り回す際の踏ん張りも効くようになります。

特に大型バイクに乗る方や、足つきに不安がある方にとっては、安定性を高めるための必須トレーニングと言えるでしょう。