トレーニングの効果を発揮するための呼吸法

筋トレ時の効果を高める基本的な呼吸法

一口に呼吸法と言っても、いろいろな種類があります。
皆さんが知っている一般的な呼吸法と言えば、腹式呼吸と胸式呼吸ではないでしょうか。

腹式呼吸とは、横隔膜を下げて肺にたっぷりと酸素を取り込む呼吸法です。
大きな声を出したり、歌唱したりする際に推奨されている呼吸として有名です。
腹式呼吸は自律神経の内の副交感神経の働きを促進させる効果があるため、リラックスしたい時に行う呼吸としてもおすすめです。

一方、胸式呼吸とは肋骨を横に広げるイメージで呼吸をする呼吸のことです。
腹式呼吸とは反対に、自律神経の内の交感神経を優位にする呼吸法です。

この腹式呼吸と胸式呼吸の内、筋トレの効果を高める呼吸法として推奨されているものは、後者の胸式呼吸です。
私たちの身体は、筋トレやその他の運動をしている際には、副交感神経よりも交感神経の方が優位になります。
胸式呼吸は交感神経の影響を受けやすい外肋間筋や横隔膜を使って行う呼吸のため、より副交感神経の働きを活性化することができるのです。
胸式呼吸によって副交感神経を活性化させた状態で筋トレを行うと、体幹が安定したり、パフォーマンスが向上したりするといったメリットがあるのでとってもおすすめです。

また、筋トレ時の効果を高める呼吸を意識する際に重要なのが、呼吸のリズムです。
呼吸はただやみくもに吸って吐けばよいわけではありません。
大切なことは、筋肉が収縮している時に息を吸い、収縮を緩めて筋肉を伸ばす時に息を吐くことが基本のスタイルです。
例えば腹筋を鍛えるトレーニングの場合、上体を起こした際には腹筋が収縮して力が入るため、上体を起こしながら息を吸います。
そして、上体を戻す際には縮めた腹筋が伸びますので、息を吐きながら元の位置身体を戻すという流れとなります。

呼吸を止めるのはNG!?筋トレ時にやってはいけない呼吸法

筋トレを行う際にやってはいけない呼吸法は、呼吸を止めてしまうことです。
重たいバーベルを持つなど、高負荷のトレーニングを行う際に、ついつい力を入れるために呼吸を止めてしまうことってありますよね。
しかし、筋トレ中に呼吸を止めてしまうと、めまいや頭痛、ブラックアウトなどのリスクが高まる他、筋トレのパフォーマンス自体も下げてしまう可能性があるのです。

せっかく一生懸命トレーニングしているのに効果が下がってしまうのはもったいないですよね。
少しでも高いパフォーマンスを出すためにも、呼吸は意識的に行い、呼吸ができないほどの高負荷なトレーニングは避けるようにしましょう。

また、呼吸を細切れに吐くこともおすすめしません。
筋トレは、呼吸をゆっくり長く吐く方が体幹を意識しやすく、安定させることができるようになります。
特に足元がふらつきやすいという方は、まずはゆっくりと深呼吸しながら身体のバランスを安定させてみてください。